長く浸かるにはぬるくなった湯船の中で、声がどこかにこぼれてしまう気がして、電話口に縋るようにいつか会う予定を、週末会う予定を、水曜日に会う予定を囁き合った。
午前2時16分。
授業のあとに星を見に行きたくて、いつの間にか飲みになって、そして気づけばセックスすることになった。
お湯とは既に呼べなくて、膝は少し冷えてきていて、追い焚きはできなくて。
ゆっくりと蝕まれるように体全体がかじかんでいくのをわかっているのに、耳元で擦れる囁き声が甘くて涙が出た。
足のあいだをぬめる執着が浅ましくて、いまはこんなものにしか縋れないことを、ことが、どうしても、